アイナナにハマった声優オタク~推しが推しになるまで~
本日、アイドリッシュセブンがリリースされてから3年が経った。
この機会に、アイナナと私の出会い。何故こんなにもハマってしまったのかについて、自分用に纏めておきたいと思う。
私がアプリ「アイドリッシュセブン」に手を出したのは、2015年8月末。リリース直後の事だった。
リリース当初、私はアイドリッシュセブンには手を出さないと決めていたはずだった。
我々世代のバイブルとも言える、種村有菜先生がキャラクター原案。
しかも、私の最推し声優である江口拓也さんが出演しているにもかかわらず、である。
最たる理由を述べるとすると、当時の私は「アイドル系乙女ゲーム」に疲れていた。
それぞれの作品は素晴らしく魅力的なのだが、魅力的であるが故に熱しやすく、そして冷めてしまいやすいのだ。
また、ゲームシステムの得手不得手、イベントの多さや追い続けることの大変さ、スマホのデータが飛び、最初から始めるのがしんどくてやめたゲームもあった。
そうして、いくつかのアイドルゲーム、乙女ゲームにはまりながらも、短期間でさよならしてしまった過去のある私は、「もうアイドルは追わない」と宣言していた。
しかし、その宣言を覆して私はアイドリッシュセブンを始めてしまったのである。
その理由は単純明快。
"声優オタクは、声優をきっかけに始める"のである。
2015年8月某日、私は江口さんの出演するイベントに参加した。それはもう素晴らしいイベントであった。私のオタク人生のひとつの転機とも言えるイベントだった。
さて、ナナライに参加した皆様の中には身に覚えがある方もいらっしゃると思うのだが、「素晴らしいイベント」には「ロス」がつきものである。
ステージを見て号泣し、宿泊したネカフェで出演者のツイートを見て号泣し、朝を迎えた私は混乱した頭で考えてしまった。
「もう2度と、あんなに素晴らしいものには出会えないんじゃないか。これ以上なんて、もう無いんじゃないか。どうしよう。もう、追いかけるのをやめてしまおうか。」
感極まった勢いで情緒不安定になり、何故か声優オタクを辞めかけた私だったが、その日一日、涙腺ぶっ壊れたんじゃないかと思うほど泣いて、泣き疲れて微熱を出して、家の布団でゆっくり休んだところ、翌日には落ち着いていた。
上がって落ちて、冷静になった私が次に考えたことは、
「なんでもいいから推しの声が聞きたい。」
何でもいいと言いながら、何か新しいものに触れたいと思った私が思い至ったのが、その時リリースされたばかりのアイドリッシュセブンだった。
ここで、私がリリース当初アイドリッシュセブンに手を出さなかったもうひとつの理由がある。
現在、私の最推しである六弥ナギ。
当時の私は、彼のキャラクター設定を見てあまり心惹かれなかったのだった。
声優オタクではあるが、『声だけでキャラを推している』と思われるのはなんとなく癪に障る。
だから、推しが出演していても、好みでなければ追わないし追えない。
それが、私のポリシーである。
結局のところ、全部追えない事に対する言い訳でしかないのだけれど。
そんな私の好みのCV江口拓也は
・可愛い(やや幼い)
・ちょっと生意気
・闇を抱えている
(例を挙げると、ときめきレストランの神崎透、酔い愛CDのカルーア・ミル、DYNAMIC CHORDの香椎玲音。最近で言うと千銃士のシャスポー辺りが好みである。)
片言で喋るテンションの高い『六弥ナギ』というキャラクターに正直あまり沼を感じていなかった私は、アイドリッシュセブンというコンテンツをスルーするつもりだった。
しかし、推しの声を聴きたいという一心と、TLに回ってきたアイナナのプレゼンツイート、そして「8月中に始めると好きなSSRを1枚選べるよ」という言葉に背中を押された私は、ついにアイドリッシュセブンをダウンロードするに至った。
「初めの1枚」はもちろん六弥ナギ。
けれど、きっとどこかで他のキャラクターに落ちるんだろうなと思っていた。チュートリアルをクリアした辺りでは、一人称「お兄さん」でなにやら抱えていそうな二階堂大和に「ははーん?沼はここだな?」なんてほくそえんでいたし、実際今の私はナギ担のピタゴラ推しマネージャーをしている。
しかし、最推しは変わらず六弥ナギだ。
私が六弥ナギに落ちたのは、おそらく他の多くのナギ推しマネージャーがそうであるように、ミューフェスの後のあのシーン。
「プリーズ、ミュージック」
である。
アイドリッシュセブンの魅力は、多くのファンが語るようにその「ストーリー」にある。
ハラハラする展開。お約束を裏切って、すれ違うし失敗もする。アイドルもののはずなのに、やけに生々しくて、読んでいて苦しくなるような展開が幾度も続く。
そんな中で六弥ナギは、ドン底まで落ち込んだメンバーとマネージャーを救いだしてくれた。
もう一度、立ち上がることができた。
あの時から、六弥ナギは私の救世主で、最高のアイドルになった。
ふざけているようで、メンバーのことを人一倍思っている六弥ナギ。
優しくて、強くて、凛として、でも年相応の愛らしさも持ち合わせた六弥ナギ。
ゲームを始めたきっかけは、確かに声優さんだった。
けれど、声優さんが好きなだけでは、ここまで好きになることはなかった。
例えば、音ゲーの難易度が私にとって簡単すぎず難しすぎないちょうどよさだったことも理由のひとつだろう。
『もう2度と、あんなに素晴らしいものには出会えないんじゃないか。』なんて思った自分が、アイナナに出会ってまた違う素晴らしい世界に出会えた。
あの日アイドリッシュセブンに手を伸ばすことになった多くの偶然と奇跡に今は感謝している。